君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
優ちゃんでさえあたしの対処をどうすべきか迷ってる感じだったのに、深月は迷わずあたしにぶつかってくれた。
深月だからできた。普段からあたしに一切遠慮のない深月だから。
ありがたいって、思った。
こんなあたしにはもったいない仲間だ。いちいち人の神経を逆なでする奴だけど。
自業自得で忙しくなって、練習不足を痛感して勝手にイライラして、普段の生活にも稽古にも、そのイライラが現れていて。
全部が中途半端で、全部に対して不誠実だった。
皆のこと自分勝手だと思ってたけど、冷静に考えてみればあたしも充分自分勝手だったんだ。
文句言いながら駆け回るだけで、何も見えちゃいなかった。見ようともしてなかった。
情けない、恥ずかしい。
でも、やっとそれに気付くことができた。
パン! と両手で自分の頬を叩く。樹里が「何してんの!?」って驚いてたけど、笑って誤魔化した。
ジンと痺れるような頬の痛みを感じながら、右手をギュッと握り高く掲げる。
「よーし!」
やるぞ!