君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
落ちる月白
◆
ガラゴロガシャンと音が響く。
学校の購買横の自販機前で、1年生の女子に頼まれていたラブレターを、3年の先輩に手渡した。
中学からの先輩後輩の関係らしく、受け取った先輩は「まじ? やった!」とものすごく素直に喜んだ。
年上なのにどこか可愛い。バスケ部だそうでとても背が高く、なぜか天井近くの蛍光灯にもらった手紙を透かしている。
「じゃあ、あたしはこれで」
「あ。待って、剣道小町」
「あの、その呼び方はちょっと……」
笑顔で浮かれる先輩に、あたしの不満の声は届かなかったらしい。
ご機嫌な様子であたしにレモンソーダの缶を差し出した。
「お礼。受け取って」
ありがとうって言われて、冷たい缶を手の平に乗せられて、驚きのあまり少しの間固まってしまった。
先輩が不思議そうに首を傾げ「炭酸苦手だった?」と聞いてきて、ハッとして慌てて頭を下げる。
「あ、ありがとうございます!」
「こちらこそ?」
ガラゴロガシャンと音が響く。
学校の購買横の自販機前で、1年生の女子に頼まれていたラブレターを、3年の先輩に手渡した。
中学からの先輩後輩の関係らしく、受け取った先輩は「まじ? やった!」とものすごく素直に喜んだ。
年上なのにどこか可愛い。バスケ部だそうでとても背が高く、なぜか天井近くの蛍光灯にもらった手紙を透かしている。
「じゃあ、あたしはこれで」
「あ。待って、剣道小町」
「あの、その呼び方はちょっと……」
笑顔で浮かれる先輩に、あたしの不満の声は届かなかったらしい。
ご機嫌な様子であたしにレモンソーダの缶を差し出した。
「お礼。受け取って」
ありがとうって言われて、冷たい缶を手の平に乗せられて、驚きのあまり少しの間固まってしまった。
先輩が不思議そうに首を傾げ「炭酸苦手だった?」と聞いてきて、ハッとして慌てて頭を下げる。
「あ、ありがとうございます!」
「こちらこそ?」