君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
いつからか、大きな砂時計の中にいるみたいに感じてた。
上にたまってる砂は、真っ白でキラキラと、ひと粒ひと粒が宝石みたいに光ってる。
なのに真ん中の穴から下へ落ちた途端、それはただの灰色の、なんの価値もない砂に変わってしまう。
頭の上にたくさんあったはずの砂は、いつの間にかあたしの足元を埋めていて、
これ以上砂が落ちないように、あたしは必死に穴を両手で塞いでいた。
それでも砂は、指の隙間からどんどん零れ落ちてしまう。
それを止めたいのに、止めるすべをあたしは知らない。
最後のひと粒が落ちてしまったら、どうなるんだろう。
知りたくない。
だからあたしは今日も願う。
時よ止まれと、静かに、強く。