君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
◆
「ただいま~」
くたくたな体を引きずって家に帰ると、玄関を開けた瞬間に良い匂いに出迎えられた。
揚げ物の匂いがする。
やった、揚げ物大好き。
ポイポイっと靴を脱ぎ捨てて、笑い声のするリビングに飛びこむ。
「あら、お帰り歩。遅かったわね」
ダイニングテーブルについていたお母さんが、首を伸ばすようにこっちを見て言った。
お母さんの向かいに座ってた妹も、振り返って「おかえり」とにこやかに笑う。
「あー! 唐揚げじゃん! ラッキー」
揚げ物の中でも、やっぱりいちばんは唐揚げだよね。
サクサク、じゅわ~って、幸せの味しかしない。
鞄も竹刀も持ったまま、お皿に積まれた唐揚げをひとつ摘まんで口に投げ入れる。
「こら、歩! 行儀の悪いことしない!」
「ふぇ~い。うんまー」
「まったく……誰に似たんだか」
「ただいま~」
くたくたな体を引きずって家に帰ると、玄関を開けた瞬間に良い匂いに出迎えられた。
揚げ物の匂いがする。
やった、揚げ物大好き。
ポイポイっと靴を脱ぎ捨てて、笑い声のするリビングに飛びこむ。
「あら、お帰り歩。遅かったわね」
ダイニングテーブルについていたお母さんが、首を伸ばすようにこっちを見て言った。
お母さんの向かいに座ってた妹も、振り返って「おかえり」とにこやかに笑う。
「あー! 唐揚げじゃん! ラッキー」
揚げ物の中でも、やっぱりいちばんは唐揚げだよね。
サクサク、じゅわ~って、幸せの味しかしない。
鞄も竹刀も持ったまま、お皿に積まれた唐揚げをひとつ摘まんで口に投げ入れる。
「こら、歩! 行儀の悪いことしない!」
「ふぇ~い。うんまー」
「まったく……誰に似たんだか」