君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
「そうだろ。自立するってどういうことかわかるか?」
「じ、自分で何でもできるようになる、こと」
「間違ってないけど、それは途中だ。たぶん自分の足でちゃんと立てる奴は、自分がひとりじゃないってことを知ってんだよ。みんな誰かに助けてもらいながら、助け合いながら生きるってことを知ってんだ」
深月が身をかがめて、おでこをあたしの面にくっつけてきた。
面越しだけど、これじゃあまるで……キスしてるみたいだ。
「だから周りに助けを求めていいんだ。こうしてほしいって、頼んでいいんだよ」
「でも、あたしいままでもそうやってた」
「いままではひとりよがりだったって言っただろ。お前はいままで主将に助けてもらって、その気持ちに応えようと努力したか? 助けてもらうのが当たり前だって、どっかで考えてなかったか?」
その通りだと思った。
あたしはずっと、大好きな幼なじみの優しさの上に、あぐらをかいていたようなものだ。
それが当たり前だと、終わるはずないんだと、のんきにタカをくくってた。
そして優ちゃんはきっと、あたしのその傲慢な考えに気付いていたんだと思う。