君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
「誰かに頼るのは悪いことじゃない。ただ、助けてくれるってことは、お前のことを信じてるってことだろ。だったらその想いに応えられるような人間になれ」
「深月……」
「それが出来たら、今度は助けてくれた相手を、お前が助けるんだ」
みんなそうやって生きてる。
だからひとりで何もかも背負って、ひとりきりでなんて生きられないんだ。
深月の言葉が、すとんと心に落ちた。
そこからじわじわと熱が広がって、苦しくなる。自分に足りなかったものがはっきりと形になって見えた。
いまの深月の言葉を、優ちゃんに聞かせてあげたいと思った。
あたしも間違ってたけど、優ちゃんも間違ってたのかもしれないよ。ひとはみんなひとりじゃないんだって。誰かを頼って、助けてもらっていいんだって。そうやってみんな生きてるんだって。
何から何までひとりで背負いこんで、苦しみもがいていた優ちゃんに、教えてあげたい。
いや、教えてあげるんだ。
今日勝って、あたしが教えてあげる。次はあたしが、優ちゃんをたくさん助けるんだ。
「深月……あたしの背中、叩いて!」
「は?」
「いいから早く! 思いっきり叩いて!」