君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
「それに比べてあんたときたら。高校生になれば少しは落ち着くと思ったのに、全然なんだもの」
「進学したくらいで人間そう変われるもんじゃないしー」
「剣道ばっかりで勉強はしない、手伝いもしない、部屋の片付けもしない。食べて寝て剣道してるだけって、歩はいつまでそんなことしてるつもり? 来年は受験生なのよ」
同じようなこと、中学生の時も言われたっけなあ。
中学の時もろくに勉強してなかったけど、結局剣道で入賞した実績で優ちゃんと同じ高校に行けたし。
大学だってきっとなんとかなるじゃん。
「もうそういうの聞き飽きた~。学校は休まず行ってるし部活がんばってるんじゃダメなの?」
「あんたの場合は部活の比重が多すぎるのよ」
「いいじゃん、智花がいるんだから。智花が自慢の娘やってくれてるんだし、あたしのことは旅に出たとでも思ってさあ」