君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
よみがえる花色
◆
パッとしない灰色の空を見上げ、固い屋上の床に寝転んだ。
午後から雨の予報のせいか、昼休みの屋上にはあたしたち以外人影はない。
「そっか……。歩ががんばってたのって、白木先輩のためだったんだね」
樹里が暗い顔をして呟く。箸を持つ手は止まり、お弁当は残り半分で止まったまま一向に減っていない。
あたしもいまいち食欲がなく、今日はおにぎりひとつで済ませてしまった。
何を食べても味気なく感じる日が続いていて、体重も少し減っている。誰も気づかない程度だけど。
「そういう大事なこと、ちゃんと言ってよね。友だちでしょ?」
「うん。……ごめん」
優ちゃんが病気で入院したことは噂で広がり、いつの間にか全校生徒の知るところとなっていた。
おかげで王子様を失ったたくさんのお姫様たちは、ここの所ずっと静かに悲しんでいるらしく、お通夜状態が続いている。
「まあ、言いにくいか。歩にとっては家族みたいな存在なんだもんね」
「んー……。もっと大切かも」
「それ、白木先輩のファンが聞いたら絶対誤解するよ。……あたしも、歩は白木先輩のことが好きなんだと思ってたし」
パッとしない灰色の空を見上げ、固い屋上の床に寝転んだ。
午後から雨の予報のせいか、昼休みの屋上にはあたしたち以外人影はない。
「そっか……。歩ががんばってたのって、白木先輩のためだったんだね」
樹里が暗い顔をして呟く。箸を持つ手は止まり、お弁当は残り半分で止まったまま一向に減っていない。
あたしもいまいち食欲がなく、今日はおにぎりひとつで済ませてしまった。
何を食べても味気なく感じる日が続いていて、体重も少し減っている。誰も気づかない程度だけど。
「そういう大事なこと、ちゃんと言ってよね。友だちでしょ?」
「うん。……ごめん」
優ちゃんが病気で入院したことは噂で広がり、いつの間にか全校生徒の知るところとなっていた。
おかげで王子様を失ったたくさんのお姫様たちは、ここの所ずっと静かに悲しんでいるらしく、お通夜状態が続いている。
「まあ、言いにくいか。歩にとっては家族みたいな存在なんだもんね」
「んー……。もっと大切かも」
「それ、白木先輩のファンが聞いたら絶対誤解するよ。……あたしも、歩は白木先輩のことが好きなんだと思ってたし」