君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
急にそんな告白をされて、あたしは目を丸くした。
「優ちゃんとはそんなんじゃないって、ずっと言ってたじゃん」
「そうだけど。でも傍から見るとあんたたちの関係って、やっぱりちょと特別だったから」
「そんなこと、なかったんだけどね」
あたしにとっては間違いなく特別だったけど、優ちゃんにとってその関係にしかなっていなかった。
後悔してもしきれない。あたしは本当にバカだった。
「県大会の時の歩、かっこよかったよ」
「……見に来てくれたんだ?」
「行くって言ったでしょ。歩がいちばんかっこよかった」
「2位だったけどね」
それにあたしより、樹里の目にはもっとかっこよく映った奴がいるはずだ。
男子個人戦で見事に優勝した深月。
あれから学校の外にもずいぶんファンが増えたらしい。
「順位は関係ないよ。あそこに白木先輩がいたらきっと……すごく喜んでくれたんじゃないかな」
「……やめてよね。泣きたくなるじゃん」
そうかな。あの会場に優ちゃんがいたら。あたしをずっと見てくれていたら。
2位だったけど、褒めてくれただろうか。喜んで、笑ってくれただろうか。