君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
面倒な薄桃
◆
前の席の高橋樹里とお弁当を食べていたあたしは、突然差し出された手紙に頬が引きつった。
「なに、これ……?」
真っ赤な顔で震えながら、あたしに手紙を差し出しているクラスメイトの千世。
その後ろではなぜか加奈子が、満面の笑みでうんうんと頷いている。
「7組の越智くんに、渡してきてほしいの!」
やっぱり……と、予想してた答えに内心うんざりとため息をついた。
加奈子のラブレターを山岡先輩に渡したのは、一昨日のこと。
まさかこんなに連続して、他人のラブレターを頼まれるハメになるなんて。
気が遠くなりかけたけど、いけないいけない。
ちゃんと断っておかないと、またあの気まずさを味わわなきゃいけなくなる。
「いやいやいや、おかしいでしょ。何であたし?」
「加奈子のラブレターを無事届けた歩にお願いしたら、上手くいくような気がして」
「それ、気がするだけだよね? あたしにそんな御利益ないって」
「確かに。歩って恋愛と縁遠いしねぇ」
前の席の高橋樹里とお弁当を食べていたあたしは、突然差し出された手紙に頬が引きつった。
「なに、これ……?」
真っ赤な顔で震えながら、あたしに手紙を差し出しているクラスメイトの千世。
その後ろではなぜか加奈子が、満面の笑みでうんうんと頷いている。
「7組の越智くんに、渡してきてほしいの!」
やっぱり……と、予想してた答えに内心うんざりとため息をついた。
加奈子のラブレターを山岡先輩に渡したのは、一昨日のこと。
まさかこんなに連続して、他人のラブレターを頼まれるハメになるなんて。
気が遠くなりかけたけど、いけないいけない。
ちゃんと断っておかないと、またあの気まずさを味わわなきゃいけなくなる。
「いやいやいや、おかしいでしょ。何であたし?」
「加奈子のラブレターを無事届けた歩にお願いしたら、上手くいくような気がして」
「それ、気がするだけだよね? あたしにそんな御利益ないって」
「確かに。歩って恋愛と縁遠いしねぇ」