君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
はじめての手紙
萌ゆる憧葛
◆
引き出しを閉め、そっと息を吐く。
気を抜くと沈みそうになる気持ちををごまかすように、勢いよく部屋のカーテンを開け放った。
朝の時間はいつだって慌ただしく過ぎていく。
寝癖を直すのもそこそこに、着替えて明るいリビングに飛びこむと、ちょうど智花がテーブルに着くところだった。
「おはよう、歩。寝癖ついてるよ、ここ」
おかしそうに言われて、唇を尖らせながら短い髪を撫でる。
「頑固なんだもん、この寝癖。お母さーん。冷蔵庫からお茶のペットボトル出して!」
「もう、自分で出しなさいよね~。っていうか、朝練いくならもうちょっと早く起きなさいって毎日言ってるでしょ」
「まあまあ、お母さん。歩もがんばってるんだからさ」
穏やかに言って、智花は朝食を食べ始める。
あたしも「そーそー」と便乗して、テーブルの上のサンドイッチを手に取る。鞄と防具袋を肩にかけ、玄関に向かおうとしてふと立ち止まった。
「智花。今日優ちゃんとこ行くの?」
「うん。何か伝えることあった?」
言われて、顎に手を当て考える。
伝えること、伝えること……何かあったっけ。
引き出しを閉め、そっと息を吐く。
気を抜くと沈みそうになる気持ちををごまかすように、勢いよく部屋のカーテンを開け放った。
朝の時間はいつだって慌ただしく過ぎていく。
寝癖を直すのもそこそこに、着替えて明るいリビングに飛びこむと、ちょうど智花がテーブルに着くところだった。
「おはよう、歩。寝癖ついてるよ、ここ」
おかしそうに言われて、唇を尖らせながら短い髪を撫でる。
「頑固なんだもん、この寝癖。お母さーん。冷蔵庫からお茶のペットボトル出して!」
「もう、自分で出しなさいよね~。っていうか、朝練いくならもうちょっと早く起きなさいって毎日言ってるでしょ」
「まあまあ、お母さん。歩もがんばってるんだからさ」
穏やかに言って、智花は朝食を食べ始める。
あたしも「そーそー」と便乗して、テーブルの上のサンドイッチを手に取る。鞄と防具袋を肩にかけ、玄関に向かおうとしてふと立ち止まった。
「智花。今日優ちゃんとこ行くの?」
「うん。何か伝えることあった?」
言われて、顎に手を当て考える。
伝えること、伝えること……何かあったっけ。