君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
予想外の天色
次の日の朝、早めに朝練を切り上げて教室に行き、千世をつかまえて昨日の報告をした。
手紙は受け取ってもらえたこと。
でもやっぱり付き合うことはできないし、返事もしないと越智くんが言っていたことをそのまま伝えた。
下手に慰めをいれて言葉を濁して、期待を持たせるようなことになったら、千世にも越智くんいも悪いと思って。
「そっか……やっぱりそうだよね」
千世は肩を落として、力なく笑った。
思ってた通り、覚悟してたんだろうなとわかる笑顔だった。
千世は泣いてないのに、なんだか見てるこっちが泣きそうになる。
「でも、例のサッカー部のマネージャーと付き合う可能性も、ないと思うよ。千世が言ってた通り、誰とも付き合う気はないって言ってたから」
「ほんと? ならちょっと、安心かな。……変だよね。フラれたのに安心するなんて」
「いや……なんとなくわかるよ」
別に慰めのために同調するわけじゃなく、本当にそう思った。