繋いだ手をもう一度



キーンコーンカーンコーン





「ではHR始めます。いきなり本題になりますが、今年もついに体育祭の季節になりました。まずは実行委員から立候補がいたら手を挙げてください。」




「はーい」





立候補なんてする柄じゃないけど色葉と約束したもんね。
シーンと静まり返る教室に自分の声が響く。







「おぉ!工藤!やってくれるか!そうかそうか」



担任は立候補がいた事を嬉しそうにしながらが黒板に名前を書いていく。





「次は男子ー、いるかー」





「はい!」
「俺!」
「俺やる!」
「工藤さんとだったら俺が!」



何人か勢いよく手を挙げた為にじゃんけんで決めることになって、一緒にやることになったのは 柏木 大知 (かしわぎ たいち)くん。




席が隣同士だったからお互い"よろしく"と簡単に挨拶すれば後は実行委員任せたっていう無責任な担任。





溜め息つきながら渋々前に出て





「えーっと、じゃあ今年の種目黒板に書き出すからやりたいのあったら名前書きに来て~」



「「「はぁ~い」」」



















「皆書いたー?………えー綺麗にバラけてるじゃん。じゃ、これでいこう」





体育祭の名簿にスラスラと名前を記入していると横から柏木くんが覗き込んできた。





「工藤さんはやっぱり今年もリレー?」





「あーうん。リレーと二人三脚が空いてるから自動的にそうなるね。……って今年もって去年リレーなの知ってたんだ。」





「あー……うん。速い子がいるなと思って。」




"一気に抜いていって本当凄かったよ"って照れながら話してくれた。




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