繋いだ手をもう一度







「はぁ?春陽と色葉が実行委員?聞いてねーんだけど」





いつも通り放課後に教室まできた海に"色葉と実行委員の仕事があるから一緒に帰れない"と告げると、さっきからずっと同じ事を言われている。





「先に言わなかったのはごめんって。」





「工藤さん行こう」




手を合わせて謝っていると後ろから柏木くんが声を掛けてきた。










「じゃあねっまた明日」





カバンと資料を持って教室から出る間際に手を振る。


海はとっても不満そうな顔で手を振り返す。











「はーるひっ」



色葉に後ろから"わっ"と驚かされて肩がビクっとした。






「も~心臓に悪い。」





「ははっ、ごめんごめん」





「謝ればいいってもんじゃないのー!」








言い合いをしてるといつの間にか会議室に着いていてドアから入ろうとすると、どこか懐かしい大好きな香りがした。















「陽登………………?」




その香りの方向に目をやれば、あの日最後に見た後ろ姿が…










「…そんなわけないっか」






気のせい。………気のせい。








「ほら春陽~!始まるよ」




手招きをしながら反対の手で私が座る椅子を指差していた。






「あっうん」





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