繋いだ手をもう一度





あぁ。睡眠不足…



昨日無理矢理寝ようとしたせいか、あれからすぐに目が覚めてなかなか寝付けなくて気付いたら朝になってた。






「はーちゃん、朝ごはんは?」




ママがひょっこりとドアから顔を覗かせた。




「食欲ない」





「あらっ、はーちゃん珍しいこともあるのねぇ…そうそう、今日ね、美和ちゃん朝番で早くに仕事だから海くんのお弁当頼まれて作ったから渡しておいてね~玄関置いておくから。」




美和ちゃんとは海のお母さん。








「えー自分で渡してよー」








今日は何となく会いたくない。

やっと布団から身体を起こすことは出来たけど、頭がボーッとする。




ママは私の話を聞かずにリビング行っちゃったし…仕方ない。




急いで着替えて、お弁当2つカバンにイン!










─ガチャ─



玄関のドアを開けると、隣からも玄関を開ける音。







「おはよう」





「あ、うん。おはよう」




同じタイミングで海も出てきた。


つまり学校どころか教室で別れるまで一緒。







「海…ママがお弁当だって」





"ほいっ"と投げるように渡せば慌ててキャッチする海。
"あっぶねー、落としたらどうすんの"ってアタフタしてるのを見てたら笑えてきた。




< 23 / 41 >

この作品をシェア

pagetop