繋いだ手をもう一度
「ふぁあ、………っては、春陽?」
大きな背伸びと大きな欠伸をして入ってきたのは海だった。
「どーした?」
そうだ、私、泣いてるんだっけ。
「ゴミ!風でゴミが入っただけ。」
「今日そんな風吹いてねーけど」
「…………うっ。」
確かに今日はそこまで風が吹いているというけではなく、時々スゥーっとするぐらいだ。
「もうさ、ひとりで泣いてないで吐き出してみれば?」
私の目の前にしゃがみこみ苦笑いをすれば座り直し空を見上げるように寝転んだ。
「大丈夫だよ」
そんな海の表情を見ないように私も空を見上げながら今にも瞳から溢れ出しそうな涙を堪えて言った。