繋いだ手をもう一度
「あら~よかったねぇ」
ママもニコニコ。
それを見て私はもっとニコニコになったっけ。
陽登の家は斜め向かいだったから、小学生になっても通学班で一緒だったし、驚くことに6年間クラスまで同じだった。
2人が大きくなっていくごとに、お互いの思いもまた大きくなりつつ、でもどこか手を繋ぐのが恥ずかしい年頃になっていて、そんな事で言い合いになったりもした。
それでも私は陽登のここが嫌とかは全くなくて、むしろ良いところばっかり目に入っていってた。
中学生になって初めて同じクラスではなくて、最初は不安な時もあった。
でも登下校は一緒にって言ってくれて、お互い部活もやってたから帰りはほとんど同じ時間だったからちょうどよかった。
呼び方も"はるくん""はるちゃん"から呼び捨てになっていた。
私はある日ふと陽登の名前にも私の名前にも"陽"という字が付いてるなぁって思って、ママに聞いてみた。
するとママは
「ママと陽登のママって昔から凄く仲良くてね~、産まれた日も同じだし産まれた病院も一緒だし、ビックリすることに時間も数分違いだったの。────────」
ママは嬉しそうに私と陽登が産まれた日の事を話してくれた。
お昼ご飯をラウンジって所で一緒に食べて、その時に名前の話をしていた。
そして2人は"陽"って漢字を名前に入れたいって言っていたこと。
漢字だけ揃ったのかと思ったら、産まれた日は太陽がとても輝いていたからっていう理由も一緒。
「───────凄い運命を感じちゃった。だからお互い漢字を変えることなく今の名前になったの。だからね、ママね、2人が仲良しで嬉しいよ」