繋いだ手をもう一度
「────────…んもーだから、これがこうだからこうなるの!!!」
勉強を始めてから早1時間……
「何で?無理じゃん。これがここにくるのなんて」
全く進んでいません。
陽登は"疲れたから休憩"って言いながら私のベッドに横になる。
私は今日出た宿題を淡々とこなしていた。
ふと陽登を見るとスヤスヤと寝息を立てながら壁の方に寝返った。
「…………はぁ。まだ1問も解いてないのに」
段々暗くなり始めて、電気を付けようかなと思った時
「…春陽?」
寝てたはずの陽登にいきなり声を掛けられた。
「ビックリした。起きてたんだ。」
「昌也と……その…映画、行くの?」
「あーうん。行くけど…陽登も」
「行く」
"陽登も行く?"って聞こうとしたけど、最後まで聞かずに陽登は答えた。
「恋愛ものだけど」
「うん、いい」
「だってこの前、恋愛ものは嫌だって」
「春陽が観たいんならいい」
一緒に観に行くって言ったのに、何か不機嫌な陽登くん。