繋いだ手をもう一度





「────────…んもーだから、これがこうだからこうなるの!!!」






勉強を始めてから早1時間……







「何で?無理じゃん。これがここにくるのなんて」






全く進んでいません。








陽登は"疲れたから休憩"って言いながら私のベッドに横になる。





私は今日出た宿題を淡々とこなしていた。




ふと陽登を見るとスヤスヤと寝息を立てながら壁の方に寝返った。











「…………はぁ。まだ1問も解いてないのに」






段々暗くなり始めて、電気を付けようかなと思った時
















「…春陽?」




寝てたはずの陽登にいきなり声を掛けられた。







「ビックリした。起きてたんだ。」













「昌也と……その…映画、行くの?」







「あーうん。行くけど…陽登も」


「行く」




"陽登も行く?"って聞こうとしたけど、最後まで聞かずに陽登は答えた。












「恋愛ものだけど」




「うん、いい」




「だってこの前、恋愛ものは嫌だって」




「春陽が観たいんならいい」











一緒に観に行くって言ったのに、何か不機嫌な陽登くん。




< 38 / 41 >

この作品をシェア

pagetop