繋いだ手をもう一度





海の事は好きじゃないけど、特別ではあった。



私が困ってる時は助けてくれて手を差し伸べてくれるヒーロー。







知り合ってお互い打ち解けて来た頃に初めて助けてもらったっけ…





あれは……キミを思い出して公園で泣いてた時







────────────────
───────────
──────





「あれ?春陽~?」




私がブランコをキィーキィーと音を立てている後ろから聞き慣れた声がした。




「やっぱり、春陽………だ。」




私は泣いていた。

ビックリしたのか一言も発しなくなった海は見て見ぬ振りをするわけでもなく、そのままゆっくり隣のブランコに腰掛けた。




「何あったか知らないけどさー。気持ち晴れるなら少し俺に話してみるといーよ。今じゃなくても、聞いてやるから。」




そう言ってくれた。

無理に聞き出そうとか、無理に笑わそうとか、そういうんじゃなくて私が頼れる場所を海はくれた。




「ありがとう、海」





ほんと海は、海のように心の広い人なんだろうなって思った。




──────
──────────
────────────────


< 6 / 41 >

この作品をシェア

pagetop