見合い相手は、変貌を遂げた御曹司


「もう、俺に構わないでくれって。何も持って無い俺の気持ちなんてわからないだろって。、、、自分が惨めに思えて、何もかも持ってる詩織が羨ましかったんだ。それを聞いて、詩織は怒ることも悲しむこともせずに笑った。」




『どうして?佐々木君は、何かを得る為に何か行動はしたの?、、、私はしてるよ。勉強だってしなければ成績も下がるし、太りやすい体質だから運動に食事にも気をつけてる。そんな小さな努力の積み重ねだよ。努力しても目的を達成出来ないこともあると思う。でも、本当に大事なのはその過程じゃないかな、、、?頑張ろうって必死になれる事が重要だと思う。努力は人生の糧になるって私はそう思ってるよ。自己満でいいの。努力したその経験がこれからの自分の人生にきっと役に立つ筈だもん。佐々木君も一緒に頑張ろ?きっと何かを得られるよ。』


「、、、、覚えてない?詩織。衝撃を受けたんだ。君が努力してたなんて知らなかった。元々持ってるものだと思ってた。でも、、、違ったんだね。、、、君は努力の人だ。俺とは違う。どうせって何もしないで卑屈になってた俺なんかとは全然ね。」
< 108 / 291 >

この作品をシェア

pagetop