見合い相手は、変貌を遂げた御曹司
その瞬間、お茶を頭から浴びポタポタと髪にしたたる。
それを目にした瞬間、暁人が声を上げる。
「詩織っ!!!!」
慌てて手を伸ばそうとすると、詩織が穏やかにそれを制してハンカチを素早くバックから取り出す。
そして、少しお茶の掛かった暁人の肩にハンカチを当てる。
「私は大丈夫です。それよりも、大事な暁人さんのスーツがっ、、、。」
そう言って詩織は、必死に暁人のスーツの水分を拭き取る。
そんな詩織の姿に、胸を締め付けられた。
暁人は、お茶を運んできた社長秘書の柿田を鋭い目で睨む。