見合い相手は、変貌を遂げた御曹司
見やすい資料に正確で丁寧な書類。
これを、この量を1人でこの時間で、、、?
仕事は出来ると辰巳から聞いていたが、ここまでとは思わなかった。
そのせいで、随分嫌がらせも受けているとか。
こんなに完璧な仕事をこなしてくれるなら、上司も見て見ぬフリもするかもしれない。
黙ったまま、じっと書類を見つめる暁人に恐る恐る声をかけた。
「暁人君?どうか、、したの?」
「いや、、何でもないよ。あと1週間だからといって無理はしないようにね。帰ろう。」
詩織の手をぎゅっと握りしめた。
それに不思議に思いながらも握りしめ返した。