見合い相手は、変貌を遂げた御曹司
重圧に震える人

あっという間に、詩織の退社日を迎えた。

辞めるその時まで周囲の目は冷たく、少し落ちた気持ちでトボトボと会社のロビーへ向かう。








そこへ大きな花束を抱えた暁人が立っていた。

そんな暁人の姿に戸惑いならも、駆け寄る。


真っ赤なバラの花束。花の間には何やら葉っぱが入っている。


「6年間、お疲れ様。」

優しく微笑みながら、花束を差し出す。


抱えきれない程の花束を受け取り、ぼーっと花を見つめる。


「、、、綺麗。この赤バラの間の葉っぱは、、なんていう葉物、、?」


するとじっと暁人に見つめられ、花束に視線を落とした。
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