見合い相手は、変貌を遂げた御曹司


強く抱きしめられながら、暁人は戸惑いながらも抱きしめかえす。


「、、、目立ってるよ。早く詩織を連れて帰んなよ、神崎君。」


後ろから苦笑いした優子の声が聞こえた。


「詩織が人目も気にせずこんな大胆な行動するなんて思わなかったな。、、しかも泣いてるし。そろそろ特別は神崎君に譲らなきゃかな。」


少し寂しそうに、でも嬉しそうな優子。


「ほら、早く連れて帰ってあげて?たまには私にも詩織貸してよねっ、、。」


そう言って背中を強く押された。


「ありがとう、鶴山さん。いや、、、増田さん。勿論だよ。詩織もそれを望んでる。これからも宜しく頼むよ。」

微笑んでロビーを抜け、外へ連れ出す。
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