見合い相手は、変貌を遂げた御曹司
「お疲れ様でーす。」
「お先します。」
次々と帰宅していく同僚達を横目に、優子は山積みになった詩織の書類に手をかける。
それをやんわり詩織の手が伸びて来て、反対側の方へと移動した。
「大丈夫っ。私、これ得意だからあと少しで終わるよ?優ちゃんはもう帰って?今日は辰巳君公休でしょ?新婚なんだからたまには早く帰ってあげてよ。」
「、、、どうして?頼ってよ!!私達、親友でしょ?!辛い思いしてる詩織を置いて帰りたくない。」
泣きそうな優子に、嬉しく思ってしまう。
「うん。私達、親友だよね?だから親友の新婚の邪魔になんてなりたくない。優ちゃんが居てくれなかったら、今頃すぐに仕事も辞めてた。優ちゃんにいつも助けてもらってる。」