見合い相手は、変貌を遂げた御曹司
翌日からは、通常通りの生活に戻った。
朝から2人で出勤し、お互いの部屋に別れ仕事をこなす。
少し変わった事といえば、周りの人間の詩織に対しての態度が変わった事だ。
社長夫人になり、悪意のある視線は少なくなった。
すれ違いざまに、声をかけられたり会釈されたりするようになった。
会長室だけでなく、庶務課に書類をとりにいったりと行動範囲も広がった。
一度、海外のお客様が見えた時に、時間を持て余したその方と詩織は暫く英語で会話していた。その流暢な英語を努に見込まれた。
得意な英語を生かして、海外事業部の和訳や書類作りも担当するようになった。