好きになっちゃ、ダメなんだ。
私の目の前に大きくて逞しい彼の手が差し出される。



「えっと………」




その手を見た瞬間、体に震えが走る。



男の人の手…



ど、どうしよ~!




これ、完全に握手する流れだよね…



でも、男の人に降れるのは怖い。




「雫ちゃん?」



彼と握手するのをためらっていると、追い討ちをかけるかのように



彼が手を差し出したまま私の顔をのぞき込んでくる。


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