好きになっちゃ、ダメなんだ。

一瞬そう思ったけど、そうではないとすぐに気づく。



なんでかっていうと

佐々木くんとは握手するのでさえ怖かったから……



お昼休みの階段でのことを思い出す。




じゃあ、なんで私は一ノ瀬くんのことを怖いって思わないんだろう?




一ノ瀬くんもほかの男の人と同じ"男"なのに……



同じ……?



いや、一ノ瀬くんは何かが違う…………気がする。




「どうしちゃったんだろう、私……」



すっかり暗くなった空に、きらきらと輝く星を見つめボソッと呟いた。





そのとき…………



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