好きになっちゃ、ダメなんだ。

私は、一度息を飲んでから口を開いた。





「私、前の学校ですごく仲がいい子たちがいたんだけど

 男の子が苦手って打ち明けたら陰でスゴい悪口言われちゃって…」





あの時聞いてしまった、あの子達の会話を思い出して、




私はグッと唇を噛む。




友達だって思ってたのはきっと私だけなんだ。




そう思うと無性に悲しくなる。




「それから、人にそのことを言うのが怖くなって……

 雅ちゃんにも言えなかったの。ごめん」





私はうつむいて、自分のスカートを握る手に力を込めた。




なかなか返ってこない雅ちゃんの返事。




もしかして、幻滅された?


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