好きになっちゃ、ダメなんだ。
「紺野さん、寒いの?」



「へ?」



ワケのわからない質問をされてマヌケな声が出る。



もちろん、寒いはずはない。 今はもう6月中旬。



しかも、隣には男の子がいるんだから緊張で、冷や汗がでるほど。



だから、寒くはないんだけど…



「寒いんじゃないの? 手、震えてるから。」



一ノ瀬くんの言葉にハッとし、自分の手に視線を落とす。
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