好きになっちゃ、ダメなんだ。
その視線の先にはシャーペンを握っている自分の手。



その手は自分でもわかるほど震えていた。



「あ、……」



それに気づいた私はすぐ、机の下に自分の震えている手を隠す。



「…?」



そんな私の姿を見ていかにも不思議そうな表情をする一ノ瀬くん。



何か言い訳を考えなくては。



今更、男の子が苦手です……

なんて言っちゃったらヘンな気をつかわせてしまうかもしれなし。
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