好きになっちゃ、ダメなんだ。


「ただいまー」



玄関のドアが開く音と共にそんな声が1階から聞こえてきた。



お母さんさんだ。



その声は当然、その人にも聞こえていたワケで……



「チッ」


いかにも不機嫌そうな表情で舌打ちをすると



私から離れ、「おかえりー」と微笑みながら部屋を出て行く。




それと同時に、一気に私の体の力が抜けた。



こ、こわ……かっ……た……

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