好きになっちゃ、ダメなんだ。


私の手の上にもう1つの手が置かれた。


……?


誰の、手?




その手をたどり目線を上げると、



私の視界に一ノ瀬くんの顔が映った。




じゃ、この手は一ノ瀬くんの手…?



男の、人……?



それを認識した途端、



私は消しゴムへ伸ばしていた手を反射的に引っ込める。




「あ………」



怖い。



男の人の手だった。



昨日、私の腕を掴んだあの人と同じ手…


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