好きになっちゃ、ダメなんだ。

でも、『はい』と応えるわけにもいかないし……



私は黙って視線を彼からズラした。




一ノ瀬くんを描くには彼の顔を見なくてはいけない。


そうすると、そのたびに彼と目が合ってしまう。





これじゃあ、いつまで経っても絵が描けない。


ここは頑張って描くしかないか………





そう思っていると



「じゃあ、これでどう?」



そんな一ノ瀬くんの声が聞こえ、チラッと彼に目をやった。



< 66 / 148 >

この作品をシェア

pagetop