好きになっちゃ、ダメなんだ。
どうしよう……


もうちょっとで授業始まっちゃうし……



困り果てていると、この教室へ来る途中の先生との会話を思い出した。



『教科書は当分、隣の席の子に見せてもらってね。』



………隣の…子…



そっと隣に視線をやる。



ど、どうしよう………男の子だ……



彼は、少し暇そうな表情で頬杖をつきまっすぐ正面を見つめている。



鼻筋が通っていて清楚な黒髪、いわゆるイケメンというものに属するであろう彼。




一度視線を元に戻し、私は頭を抱える。




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