キミのビートにのせて。
憧れのあなた。
───ピピピピッ…ピピピピッ…
『うぅ~ん…うるさっ…』
私は寝ぼけ眼で布団から起き上がり、半ば引っぱたくようにそのうるさい目覚まし時計を止めた。
『…6時45分…?なんでこんな早く目覚ましかけたんだっけ…』
今日はバイトでも何でもないはず…と、ふと壁にかけてあるカレンダーを見る。
12月11日、日曜日。そこには私の雑な文字で一言、
「ProloguE LIVE」
『うあ"っっ!!今日LIVEじゃん!!』
さっきまでの寝ぼけはどこへやら、今日の予定を知るや否やすぐにベッドから飛び降り、なにかに取り憑かれたように急いで着替えを始めた。
そんな、大事な予定もすっかり忘れるような私──雪野澪(みお)は、都内の大学に通う19歳のいたってフツーの女の子。
周りと少し違うところがあるとすれば、それは私が好きなもの。
なんてったって私は、バンド──中でもとりわけヴィジュアル系と呼ばれるバンドにハマっている。衣装とか髪の毛とかがちょっと派手な部類のバンドのことね。
なかなかこの部類の良さをわかってくれる子はいない。友だちでも私が好きなバンドを知ってる子は居ないくらい。
『まあ、今更そんなこと気にしても仕方ないけどね。』
ぽつりとひとり呟くと、メンバーとお揃いのお気に入りのピンクのドラムの形をしたキーホルダーをカバンにつける。
いつものように戸締りをして、鍵をかけて。こういう時一人暮らしは寂しいなって思う。帰ってきてもおかえり、なんて言ってくれる人はいないんだもの。
実は私は年齢=彼氏いない歴。いや、そんなこと誰にも口が裂けても言えるわけがない。
私は静かに玄関のドアを閉め、またそこにもしっかり鍵をかけて、駅へと向かった。
『うぅ~ん…うるさっ…』
私は寝ぼけ眼で布団から起き上がり、半ば引っぱたくようにそのうるさい目覚まし時計を止めた。
『…6時45分…?なんでこんな早く目覚ましかけたんだっけ…』
今日はバイトでも何でもないはず…と、ふと壁にかけてあるカレンダーを見る。
12月11日、日曜日。そこには私の雑な文字で一言、
「ProloguE LIVE」
『うあ"っっ!!今日LIVEじゃん!!』
さっきまでの寝ぼけはどこへやら、今日の予定を知るや否やすぐにベッドから飛び降り、なにかに取り憑かれたように急いで着替えを始めた。
そんな、大事な予定もすっかり忘れるような私──雪野澪(みお)は、都内の大学に通う19歳のいたってフツーの女の子。
周りと少し違うところがあるとすれば、それは私が好きなもの。
なんてったって私は、バンド──中でもとりわけヴィジュアル系と呼ばれるバンドにハマっている。衣装とか髪の毛とかがちょっと派手な部類のバンドのことね。
なかなかこの部類の良さをわかってくれる子はいない。友だちでも私が好きなバンドを知ってる子は居ないくらい。
『まあ、今更そんなこと気にしても仕方ないけどね。』
ぽつりとひとり呟くと、メンバーとお揃いのお気に入りのピンクのドラムの形をしたキーホルダーをカバンにつける。
いつものように戸締りをして、鍵をかけて。こういう時一人暮らしは寂しいなって思う。帰ってきてもおかえり、なんて言ってくれる人はいないんだもの。
実は私は年齢=彼氏いない歴。いや、そんなこと誰にも口が裂けても言えるわけがない。
私は静かに玄関のドアを閉め、またそこにもしっかり鍵をかけて、駅へと向かった。
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