キミのビートにのせて。


頭をあげたShunは、「あっ」と何かを思い出したような顔をして、




「そう言えば俺、キミの名前聞いてないや。なんて言うの?教えて?」




『雪野…澪だよ』





「澪ちゃんかぁ…可愛くて綺麗な名前だな。
俺はShun。有馬春人。ProloguEってバンドでドラマーやってます。よろしくっ。」





そう言ってから、「あっ、澪ちゃん知ってたか」と舌を出して笑った。




恐らく私のカバンに付いてたキーホルダーを見たから「知ってたか」と言ったんだろう。




私がShunのファンだなんてことはとうの昔にバレてたみたい。




知ってるのに細かく自己紹介しちゃうShunがなんだかおかしくて、私がぷっと吹き出すと、つられてShunも吹き出した。


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