キミのビートにのせて。
『私…夢でも見てるのかな…』
ぽつりと呟く。だって私は未だに「今」が信じられていなかったから。
その瞬間、Shunは私の左肩に ぽんっと彼の右手を置いた。
その瞬間、私の肩はぴくっと小さく跳ね上がる。
彼は私の目をまっすぐ見て言った。
「夢じゃないぜ。試しに自分の頬つねってみな??痛てぇから。それより何より、俺は澪ちゃんが助かって本当に良かった…。なんてったって、俺の大事なファンの子だからな。」
最後にふっと微笑んだShun。
けど…私の心の中が少しだけ曇ったのは気のせいじゃない…。
今、Shun、私のことを『ファンの子』って…
そりゃそうだよね。『Shunにとってファン以上の何か』を少しでも期待した私はバカだ。
…そんなワケない。そんなワケ…。分かっていても、悲しくて───
もしかして私にとって彼は、憧れの大好きなアーティスト『Shun』じゃなくて、本当に好きな人『春人』に変わってしまったのかもしれない…。
「どうした?さっきからぼーっとして。…ふふっ、バカだなぁ澪ちゃんは。まぁ、そーゆー所も可愛いけど。」
…かと思えばそんな嬉しくなっちゃうようなこと言うんだから。
自分のキモチが分からなくなるじゃん、、