キミのビートにのせて。
「そっか。。じゃあ、また戻ってきてくれるの待ってるよ?あっ、これ!」
すると夏夜は自分のカバンの中からゴソゴソと何冊か本みたいなものを出して、私のベッドの上にぽんっ、と置いた。
「入院中暇だと思って持ってきたんだ~。はいどうぞ!」
そう言って夏夜が持ってきてくれたのは、私が大好きな漫画。
『え…?!私これ大好きなの!ありがとう…!』
「ホント!?よかったぁ!ゆっくり読んでよね。後で返してもらわなきゃだけど。」
『もちろんじゃん。返さないわけ無いじゃん!』
「ホントか~??澪、そのまんま家にコソッと持って帰っちゃいそう」
『あー!そうやってすぐ人を疑うんだから!』
ちょっとだけムスッとしてみる。
私と夏夜はどんな話でも盛り上がれるのが二人のいいトコ。
店長が蚊帳の外みたいになっちゃっててなんだか申し訳なかったけど…。
改めて、自分が無事でよかったと同時に、あんな所で道草して巻き込まれていろんな人に迷惑をかけて、申し訳ないとも思った。