【短編】遠距離サンタの贈り物
*遠距離サンタの贈り物*
ハロウィンも終わり、店先にリースと大きなツリーを飾る。私が勤めるこの店は万年筆をメインにしたステーショナリーグッズのショップ。
1時間もかけて鉛筆やメモ帳などの文具をかたどったオーナメントを吊り下げた。
その見上げるようなツリーに同僚は柏手を打ち、手を合わせて祈る。
「クリスマスイブは遅番にも残業にもなりませんように」
その横顔は結構、真剣。指を組んで祈りを捧げるならともかくも、神棚でもあるまいし。
「馬鹿じゃないの?」
「あんたは関係ないもんね、クリスマス」
同僚は、ひがまないでよね、ともう一度柏手を打った。
ひがむつもりはないけど……。
遠距離恋愛の私。クリスマスにサンタは来ない。私は都内、彼は札幌。
1時間もかけて鉛筆やメモ帳などの文具をかたどったオーナメントを吊り下げた。
その見上げるようなツリーに同僚は柏手を打ち、手を合わせて祈る。
「クリスマスイブは遅番にも残業にもなりませんように」
その横顔は結構、真剣。指を組んで祈りを捧げるならともかくも、神棚でもあるまいし。
「馬鹿じゃないの?」
「あんたは関係ないもんね、クリスマス」
同僚は、ひがまないでよね、ともう一度柏手を打った。
ひがむつもりはないけど……。
遠距離恋愛の私。クリスマスにサンタは来ない。私は都内、彼は札幌。
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