たとえこの身が滅びようとも
scene 3
仕事を終えて家に帰り
むくんだ足をさすっていると
政府から荷物が届いた。
卵ができると
週に1回
食料品の配給がある。
しおれてない野菜と果物
新鮮な肉 柔らかいパン
サプリメント。
卵を産めば産むほど回数も多くなり
もっと産むと配給品の質も上がる。
下の部屋に住んでいる白髪交じりの女性は、配給が欲しくて毎年卵を産み続けていた。
ほぼ毎日荷物を受け取って闇市に売り
豊かな生活をしながら
知らない男性をお金で釣り上げ
卵を孕む。
彼女は卵の父親はどうでもいい
ただ
卵が産めたらそれでいい。
ある意味
幸せなのかもしれない。