たとえこの身が滅びようとも
本当の計画は煙幕を投げ
煙で政府の人達が混乱した隙を、卵を持って逃げようと思っていた。
でも
それは無理と知る。
会場が広く出口までが遠い
警備員も待機しているだろう
そして
私が今の身体で全力疾走する自信はなかった。
間違いなく私は捕まり殺され
卵も没収され
下手するとノブ君も捕まるかもしれない。
だから
だから私は考えた
このまま
私とノブ君の卵が簡単に奪われ
大人しい羊でもいいから
この社会にまた20歳になって出てくるならいい
それならそれでいい
でも
もしかしたら
その命は廃棄される可能性もある
産まれたとしても悲しい運命にあるかもしれない。
生きるより辛い事が待っている可能性があるならば
私は助けたい
私とノブ君の卵をどうしても助けたかった。