たとえこの身が滅びようとも
昼過ぎに家に戻るとノブ君が居た。
私が気になって仕事を休んだようで
白い顔をもっと白くして
家に戻った私を迎えてくれた。
「おかえり」
「ただいま」
それだけ言って
疲れた私は彼の胸の中で崩れる。
いまさらながら
自分の行動を振り返ると足元がすくんでしまう。
ガクガク震える私をノブ君はきつく抱きしめ「大丈夫だよ」と、何度も耳元で繰り返す。
ノブ君に抱かれていても
私の身体の震えは止まらず
深い深い穴に墜ちて行く気分になっていた。
真っ暗な光が見えない穴に
ただひとりだけ
永遠に墜ちて行く
その罪と共に墜ちて行く
一生
誰にも話せない
私だけの罪だった。