たとえこの身が滅びようとも

お腹に卵が宿ると首筋が青く光る。

産めば産むほど私達の生活は優遇され
世間の目も優しくなる。

出勤前にストールを首に巻いてみたが
上手に巻けずに何度も巻き直した。

慣れてないからしっくりこない。
どこをどうすればしっくりくるのかもわかってないのに、上手く巻けるわけなんてない。

そんな不機嫌な私を見て
ノブ君が手を伸ばし
器用に私の首に巻いてくれた。

「もう光ってる?」静かに聞かれ

「うっすらと」正直に答えた。

「見せてる方がいいんじゃない?」
細い糸を張ったような
弱いけどピンとした声だった。

「いいの……」

卵が割れたら

その時は

その時だから……。

< 7 / 37 >

この作品をシェア

pagetop