たとえこの身が滅びようとも
お腹に卵が宿ると首筋が青く光る。
産めば産むほど私達の生活は優遇され
世間の目も優しくなる。
出勤前にストールを首に巻いてみたが
上手に巻けずに何度も巻き直した。
慣れてないからしっくりこない。
どこをどうすればしっくりくるのかもわかってないのに、上手く巻けるわけなんてない。
そんな不機嫌な私を見て
ノブ君が手を伸ばし
器用に私の首に巻いてくれた。
「もう光ってる?」静かに聞かれ
「うっすらと」正直に答えた。
「見せてる方がいいんじゃない?」
細い糸を張ったような
弱いけどピンとした声だった。
「いいの……」
卵が割れたら
その時は
その時だから……。