過去と向き合うという事
「え、付き合ってるの?」

杏色(あい)は呆然としている。

無理もない。
だって杏色は将が好きだから…。

一方、叔母と叔父は、

「将、大丈夫なの?」

「そうだぞ。
友梨は給料がないから、お前だけの稼ぎだけで友梨を養っていけるのか?」

先程から将を心配していて、あたしを見ない。

「それも前から考えていたんですけど、おかしいですよね。
友梨さんは確かに事件を起こしましたが、それとこれとは話が違う。
少しでいいんです。
友梨さんに、給料を与えてあげてもらえませんか?」

将はあたしの変わりに、叔母と叔父に頭を下げてくれた。

「そうだよ、お父さん!
お給料なしなんて酷すぎるよぉ」

愛娘の杏色に言われて、叔父も渋々、承諾してくれた。
< 20 / 28 >

この作品をシェア

pagetop