過去と向き合うという事
「あたしの事、恨んでるでしょ?
…殴っていいよ」

あたしの言葉に、粋香ちゃんは笑う。

「もう過去の事ですから。
わたし、今、りっちゃんと付き合ってて幸せなんです」

「あたしも。
今、大切な人がいて、幸せなんだ…」

「なら、わたしの事は忘れた方がいいですね。
いつまでも過去に縛られる事ないです」

「粋香ちゃん、あの時はごめんなさい。
あたし、どうかしてた。
ずっと謝りたかった」

「大丈夫ですよ、わたしなら」

喋りながらも、内科外来に向かって歩いている。

「診察お願いしま~す」

粋香ちゃんは、外来の看護師に声を掛けると、受付に戻って行った-。
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