過去と向き合うという事
『……バカ。
今更、素直になれるわけないじゃん』

その言葉を書くのに、いっぱい悩んだだろう、いっぱい泣いただろうに、あたしはそれを一言で片付けてしまった…。

気持ちを伝えて、振られるならまだしも、避けられたり、幼なじみでいられなくなるのが嫌だった。

茜里の死後、りつは学校に来なくなり、食事も摂らないと、おばさんから聞いた。

心配な気持ちはもちろんあったけど、あたしが下手にでしゃばるのは止めよう、ここはりつが乗り越えるべきところだから、見守るだけにしよう…そう思っていたのに、

『進路はどうするの?
もう秋だよ?
中3の秋!!
高校はどうするの!?』

せっかちな性格のあたしは、たった数ヶ月で限界を迎え、仁王立ちでりつを睨んでいた(笑)
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