星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
翼Side

「やっぱ、可愛い。好きだわ。」

俺は呟くと上から影が落ちる。

「ホント、翼は佐伯さん好きだよね?」

「あぁ、ずっと横に置いていたいし誰にも見せたくない。
俺のものにする、どんな手を使っても。」



1年半前、入学式の日。
俺はかなり早くに学校にいった。

一番乗りかと思ったが、一人先にいた。
それが彼女、佐伯心春。

教室の真ん中辺りの机に一人座っていた。
長いまつげが目元に影を落とす。

この時、俺は初めて女の人を綺麗だと思った。

彼女は俺の気配に気づいたのかこちらを見る。
目が合うとニコッと笑い、頭を下げた。

その笑顔を見た瞬間、胸がきゅっと締め付けられた。

完全に惚れてしまった。一目惚れだ。
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