星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
――あぁ、そのまま俺に落ちちゃえばいいのに

俺は心の中で呟いた。

「俺のこと、好きになんねぇ?俺は心春ちゃんが好きだから。」

彼女は自分の手を強く握る俺の手を反対の手で退かした。

「ごめん。好きな人いるから。」

彼女の口から発せられたその言葉に俺は撃沈しそうになった。

誰だよ、心春ちゃんの好きな相手って。

同じ部活の一馬か?
流石に親友の彼氏ではないだろう。
クラスメイトとか学年の奴か?

心春ちゃんの先輩で俺の幼馴染みの聖也か?
それか部活の他の先輩後輩…

委員会とかの先輩後輩とかか?
あとは全く無関係の奴とか?

もしくは小学校の頃のダチか?
まさかの心春ちゃんのお兄さん…
いや、心春ちゃんはそんなデンジャラスなことをする子じゃない。

誰なんだ?
誰であろうと関係ない。
心春ちゃんの気持ちは俺のものだ。
絶対に落とす。
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