星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
聖也Side

《と…ど…け…》

ホールに心春のソロ曲の曲が流れる。

それと同時にホールのスポットライトが中心を照らし、イスに座った心春が照らし出された。

「座ってる…」

俺は思わず声を上げた。
ソロ曲は完全にその人の自由なのだがまさかイスに座るだなんて、考えてもいなかった。

「藤嶋飛鳥…?」

横にいた柴木君が声をあげた。

「え?」

「あ、曲の話です。
この声、心春の好きな歌手の藤嶋飛鳥の声なんですけど…」

そこで柴木君は言葉を詰めた。

「俺も好きで曲は全部わかるんですけどこの曲、知りません…」

「はぁ?」

訳のわからない後輩の言葉に先輩らしからぬ発言をしてしまった。

「心春は藤嶋飛鳥の曲は全部わかるししかも踊れるんです。

自分で振りを作るから使わないと思ってたんですけど、なんで…?」
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